内視鏡検査の種類と流れ

受診前に押さえておきたい!
消化管内視鏡検査の2つの種類

消化管内視鏡検査とは、消化管に内視鏡を挿入して内部の状態を詳しく観察する検査のことです。「内視鏡」は直径1㎝前後のファイバースコープの先端にカメラがついた医療機器。それを消化管の中に入れることで、カメラが映し出す内部の状態をリアルタイムで詳細に調べることができるのです。
消化管内視鏡検査には、食道・胃・十二指腸までを観察できる胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)直腸・大腸・盲腸までを観察できる大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)があります。
それぞれ観察できる部位が異なりますので、検査の目的や流れも異なります。消化管内視鏡検査を受ける前に、それぞれどのような特徴があるのか詳しく見ておきましょう。

口から入れるか鼻から入れるか?
胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)の基本的な流れ

胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)は、ファイバースコープを鼻や口から挿入し、のどを通って食道・胃・十二指腸まで進めながら消化管内部を観察する検査です。
胃カメラには口から挿入するタイプの「経口内視鏡」鼻から挿入するタイプの「経鼻内視鏡」の2種類があります。いずれも基本的な検査の流れは同じですが、検査前の処置や検査中に生じる痛みや嘔吐感などの度合いが異なります。
それぞれの進め方や特徴を詳しく見てみましょう。

経口内視鏡検査の流れ

検査前日の準備

経口内視鏡検査を受けるときは、胃の中に食事の内容物が残らないよう、検査前日の夜9時以降は食事を控える必要があります。また、9時以前の食事も消化がよいものを少量のみにしておいた方が無難です。もちろん検査当日の朝食もNG。水分は検査1時間前まで摂取可能ですが、コーヒーや牛乳、ジュース類は避けて水やお茶にしましょう。

検査直前の準備

いざ検査に臨む直前には胃の中キレイにするための消泡剤を服用し痛みや嘔吐感を和らげるため、のどに麻酔をかける必要があります。麻酔のかけ方は医療機関によって異なりますが、一般的にはゼリータイプの局所麻酔薬を飲み込んだり、スプレータイプの局所麻酔薬をのどに吹きかけたりします。そして、内視鏡がスムーズに出入りできるようマウスピースを咥えた状態で検査が開始されます。この際、検査に伴う苦痛を軽減するため鎮痛剤や鎮静剤の注射を事前に使用する医療機関も少なくありません。検査に対して恐怖心が強い方、以前の検査でつらい思いをされた方などは事前に医師に相談しておくとよいでしょう。

消化管内部の観察

口から挿入されたファイバースコープはのどを通って食道から胃へ、胃から十二指腸まで進められます。そして、空気で十二指腸や胃を膨らましながら隅々まで内部の状態を観察していきます。検査中はモニターにカメラの映像が映し出されますので、余裕がある方は画面を観ながら検査を受けることも可能です。 消化管内に何も異常がない場合は観察が終わったら終了です。一方、ポリープや腫瘍などの病気が見つかった場合は、ファイバースコープの先端から細い医療機器を挿入して組織の一部を採取(生検)し、顕微鏡で詳しく観察して病気を特定する病理検査を同時に行うことがあります。生検した部分は出血することもありますので、必要に応じて止血剤などを吹きかけ、出血が止まったことを確認してから検査を終了します。

検査後の注意点

検査後はのどにかかった麻酔がまだ効いている状態です。朝食を摂らずに検査を行うため空腹状態の方も多いと思いますが、検査後は麻酔の効果がなくなるまで1~2時間は飲食を控えるようにしましょう。
また、検査前に鎮痛剤を使用した場合は、検査後も眠気などに襲われることがありますので運転をすることができません。あらかじめ帰りの交通手段の調整をしておきましょう。

経鼻内視鏡検査の流れ

検査前日の流れ

検査前日は経口内視鏡検査の時と同じく夜9時以降の食事は控える必要があります。
また、検査では狭い鼻の中を通って内視鏡を挿入します。経鼻内視鏡は経口内視鏡よりも細く柔らかく作られていますが、挿入時に鼻の粘膜が傷ついて痛みや鼻血が生じることも少なくありません。特に鼻の粘膜が荒れたり腫れていたりするとダメージが加わりやすくなります。検査前日は鼻の乾燥などを防いでコンディションを整えておきましょう。

検査直前の準備

検査直前の準備も基本的には経口内視鏡検査と同様に行われますが、麻酔はのどだけではなく鼻の中にもかけます。麻酔のかけ方は医療機関によって異なり、鼻の中に局所麻酔薬をスプレーする方法、鼻の中にゼリー状の局所麻酔薬を直接流す方法、ゼリー状の局所麻酔薬が付着した柔らかいチューブを鼻の中に挿入する方法などが取られます。
また、鼻の通りが悪いときは血管拡張剤が含まれた点鼻薬を使用することもあります。

消化管内部の観察

経口内視鏡と同じく食道・胃・十二指腸へとファイバースコープが進められ、内部の観察を行います。現在の経鼻内視鏡は内蔵されているカメラの精度も高いため、ファイバースコープは細いものの、経口内視鏡とほぼ変わらない検査を行うことができます。
もちろんファイバースコープから医療機器の挿入も行うことができますので、精密検査や治療を同時に行うことも可能です。

検査後の注意点

検査前の麻酔は鼻の中にかけていますが、ファイバースコープを挿入する際にはのどにも局所麻酔薬が流れます。検査後はのどにも麻酔が効いている状態となりますので、経口内視鏡検査と同じく検査後1~2時間は飲食を控えるようにしましょう。
また、鎮静剤を使用した場合は運転を控える必要があります。

お尻から入れるか飲み込んでしばらく待つか?
大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)の基本的な流れ

一般的な大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)は、肛門からファイバースコープを挿入し、直腸から結腸、そして盲腸へと進めて大腸内部の状態を詳しく調べる検査です。
成人の大腸は直径5~7㎝、長さ1~1.5m。通常は折り畳められたような状態となっています。大腸カメラ検査では大腸内部を詳しく観察できるよう、空気を挿入して大腸を膨らませながら進められています。このため、大腸カメラ検査はお腹の張りや痛みを伴いやすいもの。しかも、大腸が長く複雑な走行をしている方、過去にお腹の手術を受けて大腸と周辺の組織に癒着がある方は強い苦痛が生じ、最後まで検査できないことも少なくありません。
大腸カメラ検査は大腸内のごく早期の病気を発見でき、検査と同時に精密検査や治療も行える優れた検査です。しかし、苦痛を伴いやすいというデメリットもあります。このため、ファイバースコープを挿入せずにカメラが内蔵されたカプセルを飲むことで大腸内部の状態を映し出してくれる「大腸カプセル内視鏡」が開発され、2016年からは一定の条件を満たせば健康保険が適用できるようになりました。

では、それぞれのタイプの大腸カメラ検査はどのような流れで進められていくのか詳しく見てみましょう。

大腸内視鏡

検査前日の準備

より精度の高い大腸カメラ検査をするには、大腸内に溜まった便をできるだけ排出させ、大腸内をキレイにしておく必要があります。このため、検査前日の夜には効果の強い下剤を服用して準備するのが一般的です。普段から便秘の方の場合は、検査の2~3日前から下剤を服用するよう指示される場合もありますので、検査を受ける医療機関に従うようにしましょう。
また、検査前日の夕食はできるだけ早い時間に済ませ、食物繊維や油分の少ないメニューを少量に控えましょう。

検査直前の準備

大腸カメラ検査を行う前夜には下剤を服用しますが、検査当日もさらに大腸の中をキレイにするよう「腸洗浄液」と呼ばれる多量の下剤を服用しなければなりません。腸洗浄液は水に溶かして飲用するタイプの下剤で、一般的に用いられるものは約2ℓです。この下剤を検査前に少しずつ飲み、便が色の薄い水状になった段階で検査を行うことができます。このため、検査を行うことができるまでの時間は人によって異なりますので、検査当日はなるべく予定を詰め込まずゆとりを持つようにしましょう。
そして、検査直前には大腸の動きを弱くする注射を行いますが、検査中に痛みが強いことが予想される方や過度な恐怖心がある方などは鎮静剤も用いることがあります。

大腸内部の観察

肛門から挿入したファイバースコープは直腸を経て下行結腸、横行結腸、上行結腸、盲腸へと進められながら、内部の詳しい観察が行われます。検査中は折り畳まれた状態の大腸を拡げて内部の状態を見えやすくするよう空気が送り込まれるため、お腹の張りや痛みなどを感じる方が多くいます。
また、ファイバースコープを挿入しやすいよう検査中はお腹が押されたり、体勢を変えるよう指示されることがあります。安全に正しく検査を行うために必要なことですので、医師の指示に従うようにしましょう。

検査後の注意点

大腸カメラ検査は検査前に多量の下剤を服用し、検査中も大腸内に空気が送り込まれます。このため、検査後も腹痛や下痢が続くことも珍しくありません。検査後は状態が落ち着くまで様子を見てから帰宅するのが一般的です。しかし、検査中に鎮痛剤を用いた場合は、検査後も眠気などが生じやすいため運転することはできませんので注意しましょう。
また、検査後の食事は特に制限はありません。一方、病気が見つかってその組織の一部を採取した場合は大腸の壁に傷がついている状態。検査後一週間ほどは刺激物やアルコール、繊維質など消化の悪いものは控えるようにしましょう。

大腸カプセル内視鏡

検査前日の準備

大腸カプセル内視鏡も検査前は一般的な大腸内視鏡と同じく大腸の中をキレイにしておく必要があるため、下剤を服用するのが一般的です。
下剤の服用期間は大腸内視鏡と同じく普段の排便状況などによって異なりますので、検査を受ける医療機関の指示に従いましょう。
また、検査前日の食事もできるだけ早い時間に済ませ、消化の良いものを軽めに抑えましょう。

検査当日の準備

検査当日も大腸内視鏡の場合と同じく「腸洗浄液」を服用して大腸の中をさらにキレイな状態にします。そして、色が薄い水状の便が出るようになったら、内視鏡が内蔵されたカプセルを服用します。
カプセルの大きさは11㎜×13㎜。少し大きめの錠剤と変わりませんので飲み込めない…ということはまずないでしょう。

大腸内の観察

カプセルの両端にはカメラが内蔵されており、ほぼ360度の範囲を観察することが可能です。また、大腸内を進む速度を自動的に認識し、そのスピードに合わせて1秒間に4~35枚の写真を撮影し、外部のレコーダーに情報が飛ばされます。
カプセルを飲み込んだ後は激しい運動を避ける以外は特に注意することはなく、日常と変わらない生活を送ることができます。もちろんカプセルが消化管内を移動する際に痛みなどが生じませんので、一般的な大腸内視鏡よりはるかに身体への負担が少ない検査と言えます。

検査後の注意点

カプセルを飲み込んだ後は2時間後から水分摂取、4時間後から食事をすることができます。また、検査を開始してから8~10時間ほどで通常は大腸内の撮影が終了しますので、その時間に合わせて撮影の情報が飛ばされるレコーダーを医療機関に返却しに行くことが必要な場合もあります。
検査終了後、カプセルは便と共に排出されます。検査後はしっかりと排出されたことを確認し、指示がある場合は回収して医療機関に持参するようにしましょう。
大腸カプセル内視鏡のデメリットの一つは、カプセルが消化管の中に引っかかると自然に出てこなくなってしまうことことです。検査後は必ず排出を確認し、2~3日経っても出てこない場合は医療機関に相談しましょう。

まとめ

消化管内視鏡検査である胃カメラ検査と大腸カメラ検査にはそれぞれ異なった方法があります。方法は異なっても観察する部位は同じですが、検査の手順などは異なりますので、検査を受ける場合はどの方法で行うか事前に確認し、検査の流れや注意点を把握しておきましょう。

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執筆者 成田亜希子先生執筆者 成田亜希子先生

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