気になる内視鏡検査前後の食事について解説!

更新日:2020/10/29  投稿日:2020/02/21

内視鏡検査を受診される方は、検査の前日やその後の食事について気になる方も多いはず!こちらでは内視鏡検査の数日前から検査後までの食事についてとその注意点を解説いたします。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)時の食事について

大腸内視鏡検査は、初期の大腸がんなど通常の画像検査では発見できないような小さな病変を詳しく観察することができる検査です。
また、初期のがんや小さなポリープであれば検査と同時に切除することもできます
大腸内視鏡検査は非常にメリットの大きな検査と言えますが、大腸内部を詳しく観察するため、できるだけ便を出し切った状態で行うのが理想的です。
検査前や検査当日は下剤を使用しますが、より正確な検査や治療を行うには検査前の食事にも注意する必要があります。
そこで、大腸内視鏡検査前の食事の注意点について詳しく解説します。
食事メニューの例も挙げますので、ぜひ参考にしてください。

大腸内視鏡検査前の食事

そもそもなぜ、大腸内視鏡検査の前には食事制限が必要になるのでしょうか?
それは、検査前にできるだけ大腸の中をキレイにしておく必要があるからです。
大腸は胃や小腸で液状に消化された飲食物などから水分を吸収して便を作り出す臓器…。
毎日規則正しい排便がある方でも、大腸の中には便や便を作り出す過程の消化物が残っている状態になっています。
大腸内視鏡検査では、このような大腸の中に内視鏡を進めていかなくてはなりません。
よりスムーズに、そして小さな病変を見逃さずに大腸内を観察するには、できるだけ便がない状態で検査をするのが望ましいのです。
そのため、大腸内視鏡検査前には大量の下剤を服用して大腸内に溜まった便を出すための処置が行われます。
それと同時に、便のカスが残りにくい食事を心がけることが大切であり、より効果的な大腸内視鏡検査を行うには検査の3日ほど前から食事に注意が必要です。

では、大腸内視鏡検査前の食事は具体的にどのようなものを選べばよいのか詳しく見てみましょう。

検査3日前~2日前

大腸内視鏡検査3日前からは、便の固形化を促したり、便の量を増やしたりするような食材を避けることが大切です。
具体的には、こんにゃく・海藻類・野菜・きのこ・果物など食物繊維が多い食材、揚げ物や肉類など脂質の多い食材は避けるようにしましょう。また、牛乳やヨーグルトなどの腸内環境を整えるため身体によいと思われがちな乳製品便も便を固くすることがありますので3日前からはNG。さらに、香辛料は大腸の粘膜に負担をかけますので控えた方が無難です。
また、普段から便秘がちの方はラーメンやパスタ、そばなどの麺類、玄米、固めのパンなど消化の悪い主食も控えるようにしましょう。
これらの食材を摂らないよう注意すれば、通常の食事を摂っていただいて構いません。
なお、大腸内視鏡検査前には食事内容のみではなく、飲み物にも注意しなければなりません。
大腸の粘膜に負担をかけるようなアルコール類はNG!また、コーヒーやジュースなども大腸の粘膜の色調に影響を与える可能性がありますので控えましょう。

検査前日

大腸内視鏡検査前日は、できるだけ便が残りにくくなるような食事を心がけることが大切です。
検査3日前から避けるべき食材を摂らないことはもちろんですが、朝食や昼食は海苔や具のないおにぎり、素うどん、具なしスープ、食パンなどがおすすめ
副菜としては、豆腐や脂肪分の少ない白身魚などがよいでしょう。
また、夕食はお粥や素うどんなど消化がよいものを少量に抑えるのがポイント。
時間は早めに摂るほどよく、少なくとも20時までには済ませるようにしましょう。
なお、水分は便の排出を促す効果がありますので、お茶やミネラルウォーターを普段より多めに摂るのもポイントです。

検査当日(検査前)

当日検査前に食事を摂ることはできません。空腹を感じるかもしれませんが無事に検査が終了するまで食事はNGです。
便の排出を促すため、検査直前まで水分を多く摂ることが大切ですが、コーヒーやジュース、牛乳、具の入っていないスープなどは避け、水やお茶などの水分を摂るようにしましょう。 当日検査前は多量の下剤を服用するため体内の水分も失われがち。
普段より多めに多めの水分を摂るよう心がけましょう。

大腸内視鏡検査後の食事

基本的に、大腸内視鏡検査が無事に終了すれば検査後の食事に制限はありません。
一方で、大腸内視鏡検査を行うには2~3日ほど前から食事制限を始める必要があり、検査終了後は絶食した状態となっています。さらに、大腸内視鏡検査を行うには大量の下剤を使用しますので大腸の粘膜には負担がかかっている状態でもあります。そのため、検査が終了したからといってむやみに脂っこいものなどを食べると胃腸の調子が悪くなることもありますので注意が必要です。
できるだけ消化がよいものを選ぶのが無難でしょう。 特に大腸の組織の一部を採取する「生検」を行った時は、大腸の壁がケガをしている状態ですので、アルコールや香辛料の多いものは3~5日ほど控える必要があります。

胃内視鏡検査(胃カメラ)時の食事について

胃内視鏡検査は、口や鼻から内視鏡を挿入して食道・胃・十二指腸などを詳しく観察することができる検査です。
画像検査では分からない早期胃がんを発見することもできるため、特に症状がない方でも定期的な検査が勧められています。
一方で、胃内視鏡検査は大腸内視鏡検査と同じく検査前に食事制限が必要です。
胃内視鏡検査に伴う食事制限についても詳しく解説します。

胃内視鏡検査前の食事

胃内視鏡検査は、口や鼻から挿入した内視鏡で胃などの内部を詳しく調べることで、画像検査では分からない小さな病変を発見することができる検査です。
胃は口から摂取した飲食物が食道を通って流れ落ちる臓器。
より正確な胃内視鏡検査を行うには、胃の中を空っぽに近い状態にしておくことが望ましいのです。
そのためには、検査前の食事に注意することが大切です。
では、具体的にどのようなことに注意すればよいのか詳しく見てみましょう。

検査3~2日前

胃の中に入った飲食物が消化されて十二指腸へ送り込まれるのにかかる時間はおよそ3~5時間。胃内視鏡検査のための食事制限は、胃の中身を空っぽに近い状態にすることですから、検査の3~2日前の食事制限は特に必要ありません。
ただし、過度なアルコールや油分の多い食事などの暴飲暴食は胃の粘膜に大きな負担をかけます。胃内視鏡検査で病変が発見された場合は、その組織の一部を採取して顕微鏡で詳しく調べる検査が必要になることも少なくありません。
このような検査に備えるためにも、胃の粘膜に負担をかけすぎる暴飲暴食は避けるようにしましょう。

検査前日

検査前日の朝食や昼食も基本的に食事制限は必要ありません。
ただ、食事内容は繊維質が多いもの、脂っこいものなど消化の悪いものは避けましょう。
夕食はおにぎり、素うどん、具だくさんスープなどできるだけ腹持ち・消化の良いメニューを20時頃までに済ませるようにしましょう。
私たちが口にした食べ物は、咀嚼されたのちに食道を通って胃へ運ばれます。
胃の壁からは食べ物の消化に必要な酵素が多く分泌されており、歯で細かく砕かれた食べ物はさらに細かく液体状に変化します。そして、十二指腸から小腸へ運ばれていくのです。このため、胃の中に入った食べ物は一定時間胃の中に留まることに。その時間は平均すると2~3時間程度です。通常、胃内視鏡検査は午前中の早い時間に行われますので、検査時にそんな前から絶食しなくてもいいのでは…?と思う方もいるかもしれません。
しかし、胃での消化の速さは体調や食べ物の種類などによっても変わるため、万全を期して20時以降は絶食するよう指示されるのが一般的です。
また、時間が経過しても胃の内部に残る可能性がある海苔など食物繊維の多い食材、種のある果物などはNG!
特に牛乳は胃の壁に膜のように張り付くことがあるので検査の妨げになります。
空腹を感じても、ミネラルウォーターやお茶にしておきましょう。

検査当日(検査前)

胃内視鏡検査当日の検査前は、食事を摂ることはできません。
いつもの習慣でつい朝食を摂ってしまった…というときは胃内視鏡検査を行うことができなくなりますので注意しましょう。
胃内視鏡検査は通常、午前中の早い時間に行いますので空腹を感じるかも知れませんが、精度の高い検査をするために我慢しましょう。
また、検査当日も水やお茶などの水分は摂取可能です。ただし、コーヒー、ジュース、牛乳など胃の粘膜の色調に影響を与えるような水分は控えて下さい。
また、糖尿病の薬を飲んでいる方は事前に医師に相談することを忘れずに! 絶食の状態で血糖値を下げる薬を使用してしまうと低血糖を引き起こすこともありますので、注意が必要です。

胃内視鏡検査後の食事

胃内視鏡検査後は通常通りの食事を摂ることができます。
しかし、検査後2時間以内の食事には注意が必要です。
胃内視鏡検査の際には通常、のどに麻酔をかけます。 麻酔には内視鏡検査による痛みや嘔吐感を軽減してくれる働きがありますが、のどの動きが悪くなるため、水分や食事を摂るとむせこみやすくなります。
水分や食べ物が気管に入り込んでしまうと「誤嚥性肺炎」を引き起こすこともあるため、とても危険です。麻酔の効果が醒めるまでには2時間ほどかかりますので、検査後2時間の飲食は控えましょう。また、検査から2時間が経過したら、まず少量の水分を口にして問題なく飲み込めることを確認してから飲食を再開するのがおすすめです。
それ以降は基本的に、食事内容に制限はありませんのでお好きなメニューで構いません。しかし、胃内視鏡検査後は「絶食」が長く続いた状態…。
一気に脂っこい食事を摂ると胸焼けなどを引き起こすこともありますので、あっさりした和食などのメニューがおすすめです。

ポリープ切除後の食事

大腸内視鏡検査も胃内視鏡検査も基本的に検査後の食事に制限はありません。
しかし、内視鏡を用いてポリープなどの病気を切除した方、病変組織の一部を採取して病理検査を行った方は、胃や大腸の粘膜にダメージが加わっている状態です。
検査当日(検査後)は胃や大腸の刺激を与えないような食事を心がけましょう。
食物繊維が多い食材、ラーメンやパスタ、玄米など消化の悪い食材はNG! アルコールや香辛料の多い食事は胃や大腸の粘膜に大きな負担をかけますので、検査後数日間は避けましょう。
検査前日と同じく、おかゆ・うどん・食パンなどの主食に豆腐や白身魚をプラスした消化の良いメニューがおすすめです。

検査前後に食事を制限すべき理由とは!?

内視鏡検査は検査前後の食事に注意する必要があります。
食事制限が必要になる理由をそれぞれの検査によってまとめました。

胃内視鏡検査の理由

胃内視鏡検査では胃や十二指腸内部の状態を詳しく観察するため、胃を空っぽの状態にしておく必要があります。胃での飲食物の消化には時間がかかりますので、検査前日は消化が良いものをできるだけ早い時間に摂ることが大切です。
また、検査後はのどに麻酔がかかっている状態のため、むせこみを避けるためにも2時間は飲食を控えるべきとされています。

大腸内視鏡検査の理由

大腸内視鏡検査をスムーズにより正確に行うには、便をしっかり出し切った状態にしておくことが理想です。
検査前日や当日には大量の下剤を使用しますが、下剤の効果を高めるためには検査3日前から食物繊維や脂っこいものなど「カス」が残りやすいものは避ける必要があります。
また、検査後は大腸の粘膜に負担がかかっていることがありますので、できるだけ刺激にならないような飲食を心がけることが大切です。

まとめ

内視鏡検査前後には、胃でも大腸でも基本的に食物繊維の多いもの、消化の悪いもの、刺激の強いものは控えるようにましょう。消化が良く、胃や大腸にやさしいおかゆやスープなどがおススメです。また、水分はとっても構いませんが、お茶か水を選び、コーヒーや牛乳、ジュース類は避けましょう。
もちろん、アルコールもNGです。内視鏡検査をより安全により正確に行うためにも、検査前後の食事の注意点はしっかり守ることが大切です。

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