女性の死亡率第1位は大腸がん!ただし早期発見で防げます!

更新日:2020/10/08  投稿日:2020/03/17

女性のがんで大腸がんが死亡率一位!かかりやすい人はどんな人?

女性の死亡率は大腸がんが第一位!

最新のがん統計(2017年)によれば、女性のがんの部位別死亡率1位は大腸がんとのことです。
2014年の統計では、大腸がんは2位であったため、年々大腸がんを発症する女性の割合は高くなっていることが分かります。
女性ががんで死亡する確率は15%。
7人に1人ががんで亡くなるとされていますが、そのうち大腸がんで亡くなる女性は44人に1人とのこと。
年間で23347名の方が命を落としています。
この数は、女性のがん死亡率2位の肺がん(21118名)、3位の膵臓がん(16823名)を大きく引き離した水準となっており、女性にとって大腸がんは決して稀ではない病気と言ってよいでしょう。

1位 2位 3位
男性 肺がん 胃がん 大腸がん
女性 大腸がん 肺がん 膵臓がん
男女計 肺がん 大腸がん 胃がん

引用:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター 人口動態統計によるがん死亡データ

大腸がんにかかりやすい人の気になる体質とは!?

大腸がんは好ましくない生活習慣が発症に大きく関与していると考えられています。
一方で、生活習慣に関係なく、体質やこれまでかかった病気の影響、遺伝などの要因によって発症リスクが高まることも…。
具体的に、大腸がんになりやすい特徴は次の通りです。

高身長

がんの発症リスクとなる「体型」と言えば、「肥満」を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、様々な研究の結果から身長の高さもがんの発症リスクとなることが報告されています。
世界がん研究基金によれば、特に大腸がん、乳がん、卵巣がんは高身長がリスクとなることは確実とのこと。
その背景には、身長が高い人はがんの発症に関与すると考えられているホルモンの分泌量が高いことなどが挙げられます。

大腸ポリープ

ポリープとは、粘膜の細胞が異常増殖することによって生じる「できもの」のこと。
ポリープは粘膜で覆われた部位であればどこにでも発症する可能性がありますが、特に大腸はポリープができやすい部位です。
大腸にできるポリープのほとんどは良性のものですが、まれにがん化して大腸がんに進行することがあります。
特にポリープが大きい場合、ポリープがたくさんできている場合、切除しても再発を繰り返す場合は大腸がんを発症しやすいと考えられていますので注意が必要です。

炎症性腸疾患

潰瘍性大腸炎やクローン病など腸に慢性的な炎症が引き起こされる病気は大腸がんの発症リスクを上昇させることが分かっています。
そのため、これらの病気と診断された方は定期的な大腸内視鏡検査が必須。
慎重に経過を見ていく必要があります。

遺伝

大腸がんは家族性大腸ポリポーシスなどの遺伝による病気によって引き起こされることがあります。
血縁にこのような遺伝性の病気を発症した方がいる場合は、遺伝子カウンセリングなどを行いながら遺伝子検査を受けることができます。
発症の原因となる遺伝子を持つことが判明した場合は、がんを発症する前に予防的に大腸を切除する手術に踏み切るケースも少なくありません。
また、このような特定の病気がない場合でも、40代以前に大腸がんを発症した血縁がいる方は大腸がんになりやすいことも指摘されています。

大腸がんは自覚症状がないため発見が遅れがち!

大腸がんは早く発見できれば治る見込みが高いのが特徴です。
それにも関わらず、1年間に大腸がんで亡くなる方は男女合わせて4万人以上。
発見された段階ではすでに手遅れ…というケースも珍しくないのです。
大腸がんは早期の段階では自覚症状がほとんどなく、健康診断やがん検診などでたまたま発見されるケースが多いとされています。
しかし、国民生活基礎調査(2010年)から推測される大腸がん検診の受診率は男性27.4%、女性22.6%であり、諸外国と比べてはるかに低い水準です。
大腸がんを克服するには、できるだけ早期の段階で発見することが何よりも大切。
発見が遅れると死に至るケースも多く、仮に手術ができたとしても人工肛門を作らざるを得ないことも…。
QOLは大きく低下します。早期がんの場合は内視鏡手術が可能ですので、その後の生活に支障を来すことはありません。
万が一大腸がんになった場合でも、治療後によりよい生活を送るため、大腸がん検診を定期的に受けるようにしましょう。

女性の大腸がんの発見が遅れてしまう理由とは!?

女性の大腸がんの発見が遅れてしまう原因として考えられるのは、がん検診の受診率が低いことも挙げられますが、女性の場合は「精査」を受けない方が多いのも一つの要因です。
というのも、一般的に大腸がん検診は便に血液が含まれているか調べる「便潜血検査」を第一に行います。
大腸がんは組織が脆く出血しやすいため、発症すると便の中に血液が混じりやすくなるためです。
そして、便潜血検査で陽性(血液が混じっていること)と判定された場合は、大腸内部の状態を詳しく観察するための大腸内視鏡検査による「精査」が行われます。
しかし、女性は出産や便秘などの影響で痔の方が多く、便潜血検査で陽性と判定されても「痔のせいだ…」と勘違いされてしまうケースが思いのほか多いのです。
また、大腸内視鏡検査に恥ずかしさや抵抗を感じる方は精査を受けずに放置してしまうことも少なくありません。
特に女性の場合は、恥ずかしさが優先してしまい病気の発見が遅くなってしまうケースもあるため、そういった方には女性医師がいるクリニックをおすすめします。
このような様々な理由により、大腸がんが見逃されてしまうケースは珍しくないのです。

女性は要注意!?大腸がんの初期症状をチェックしてみましょう。

大腸がん初期症状についてもあてはまってないかチェックしてみましょう。

大腸がんの初期症状には次のようなものが挙げられます。

  • 血便(便に血が混ざる)
  • 下血(肛門から血液が出る)
  • 下痢や便秘を繰り返すなどの便通異常
  • 排便後も便が残った感じがする

もちろん、これらの症状が全くない方や軽い異常しか見られない方もいます。
しかし、上でもご紹介したような大腸がんになりやすいリスクがある方は少しの異常のみを自覚した場合でもできるだけ早めにクリニックで検査を受けるようにしましょう。

大腸がんは早期発見・早期治療がすべて!

がん診療連携拠点病院等院内がん登録生存率集計によれば、大腸がんは早期の段階で発見し、適切な治療を行えば、5年生存率は94%に上るとのこと。
一方で、肺や脳などに転移を生じているような進行した段階で発見された場合の5年生存率は20%以下です。
下表のように、早期発見・早期治療できただけ治る見込みは高くなります。
大腸がんを確実に診断するには大腸内視鏡検査が必要です。確かに女性にとっては大腸内視鏡検査は恥じらいがあるものでしょう。
しかし、命よりも大切なものはないハズです。
40歳以上になったら定期的に大腸がん検診を受けるようにしましょう。
また、それ以前の方も便通異常など気になる症状がある方、今回ご紹介した大腸がんになりやすい生活習慣や体型、遺伝、病歴に当てはまる方は定期的に検査を受けることをお勧めします。

(図2)大腸がん累積5年生存率(全部位・病期別・男女計)

大腸癌研究会・全国登録 2000~2004年症例より作図

[参考] 大腸がんの病期
0期 :がんの範囲が大腸の粘膜の中まで
Ⅰ期 :がんの範囲が大腸壁の筋層まで
Ⅱ期 :がんの範囲が大腸壁の筋層より深いが、リンパ節転移はない
Ⅲa期 :がんが周囲のリンパ節(3個以下)に転移している
Ⅲb期 :がんが周囲のリンパ節(4個以上)に転移している
Ⅳ期 :がんが腹膜、肝臓、肺など遠い位置の臓器に転移している

まとめ

女性のがんの部位別死亡率1位の大腸がん。
がんといえば恐ろしいイメージを抱く方も多いと思いますが、大腸がんは早期発見・早期治療によって治る見込みが非常に高いがんです。
厚生労働省が推奨する大腸がん検診の対象年齢である40歳を過ぎたら、定期的に検診を受けるようにしましょう
また、若い方でも大腸がんを発症しやすい方はかかりつけ医などと相談しながら定期的な検査を行っていくことが大切です。

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