更新日:2020/10/08 投稿日:2020/03/26
男性のがんで大腸がんが死亡数三位!かかりやすい人はどんな人?
日本人の2人に1人が一生のうちで一度はがんになり、3人に1人はがんで亡くなるとされる現代、がんは「国民病」と言っても過言ではない病気の一つです。
最新がん統計(2017年)によれば、がんが原因で亡くなる男性が年間22万人にものぼるとのこと。がんの部位別に見ると、男性のがん死亡数3位は大腸がんです。
そこで今回は、男性がなりやすい大腸がんの特徴や発症の原因について詳しく解説します。
男性のがん死亡率は大腸がんが第三位!
最新のがん統計によれば、男性は年間2万7千人が大腸がんで命を落としているとのこと。その数は、1位の肺がん、2位の胃がんに次いで男性の部位別がん死亡数の3位となっています。
なお、肺がんで亡くなる男性は1年間で5万3千人、胃がんは2万9千人。肺がんは他部位のがんによる死亡数を大きく引き離して1位となっていますが、胃がんと大腸がんの死亡数に大きな差はありません。
大腸がんで亡くなる男性は、20年ほど前と比べるとはるかに多くなっています。現在では、男性の33人に1人が大腸がんで亡くなるとされており、男性にとって大腸がんは決して珍しい病気ではないのです。
大腸がんになりやすい男性の生活習慣
かつてに比べ、大腸がんで死亡する男性が増えている背景には、大腸がんの原因となる様々な生活習慣が関係しています。
どのような生活習慣が大腸がんの発症リスクになるのか詳しく見てみましょう。
偏った食事
数多くの研究や調査の結果、脂肪や肉類の過剰摂取は大腸がんのリスクを高めることが分かっています。特に赤身の肉は大腸がんのリスクとなりやすいとのこと。これは、脂肪や肉類ががんの発症を促す二次胆汁酸(消化酵素の一種)の生成を高めることが原因と考えられています。
また、食物繊維の不足も便秘の原因となり、結果的に大腸がんのリスクとなる可能性が示唆されているのが現状です。
現代の日本人の食事は欧米化が著しいもの。そのため、肉類や脂質の多い食事を摂る機会が増え、結果的に大腸がんの危険性が高いと考えられています。
運動不足
運動不足も大腸がんのリスクになりえます。
というのも、運動不足は腸の動きを悪くすることにつながるため、便秘になりやすくなるから。腸の中で便が長期間留まる状態が続くと、発がん性のある有害な物質が大腸内に留まることに…。結果として大腸がんの原因になると考えられているのです。
実際、デスクワークをする人は適度な運動をしている方より大腸がんの発症率が高くなっていることが報告されています。
アルコール
アルコールは適量であれば身体に害はなく、むしろ健康に良いと考えられています。
しかし、過剰な摂取は大腸がんのリスクを高めるとの報告も…。ですが、アルコール自体が大腸がんを引き起こすかについては明確に分かっていないのが現状です。
喫煙
喫煙習慣が大腸がんを引き起こすという明確な証拠はありません。しかし、たばこには数多くの発がん性物質が含まれているため、何らかの形で大腸がん発症に関与していると考えられています。
大腸がんと遺伝の関係性とは!?
大腸がんは遺伝と関係しているがんの一つです。
特に、大腸内に多数のポリープができる「家族性大腸ポリポーシス」という遺伝による病気を発症している方は将来的に大腸がんを発症することが分かっています。
また、このような病気がない場合でも、身内に30代や40代の若い頃に大腸がんを患った人がいる場合は要注意。若い頃に発症する大腸がんは、遺伝が原因と考えられるケースも少なくないのです。
そのほか、身内に乳がんを発症したことがある方も大腸がんの発症率が高まることも指摘されています。
あなたももはや他人事ではありません!
大腸がんの早期症状をチェックしてみましょう。
大腸がんの発症リスクとなる生活習慣は現代人にありがちなもの。今後もさらに増えていくことが予想される大腸がんですが、早期段階では症状が現れにくいことも…。
大腸がんは早期発見できれば助かる見込みのあるがんです。できるだけ早い段階で発見できるよう定期的に以下の項目をチェックしてみましょう。
大腸がん│セルフチェック
- 運動をほとんどしない
- 野菜をほとんど食べず、肉類ばかりを食べている
- お酒を飲み過ぎてしまうことがある
- ソーセージやハムなどの加工肉を好んで食べる
- 親や兄弟に大腸がんを患った人がいる
- 便に血が混ざることがある
- 便が細くなった
- 下痢と便秘を繰り返す
- 腹部に痛みを感じる
- 50歳以上である
★10個中5個以上あてはまる方は大腸がんのリスクがあります。
早期発見のためにもできるだけ早くクリニックを受診して検査や治療を受けるようにしましょう
まとめ
男性のがんの部位別死亡数3位の大腸がんは、肺がんと同じく年々増加しています。大腸がんは早期の段階で発見できれば、5年生存率は95.1%。治る見込みの高いがんです。
一方、進行した段階で発見された場合は徐々に5年生存率は低下、他部位に転移を起こしているような状態で見つかった場合の5年生存率は20%を切ります。
大腸がんは早期発見・早期治療が何よりも大切です。そのためには、大腸の内部を詳しく観察できる大腸内視鏡検査を定期的に受けるようにしましょう。